創立45周年記念演奏会 大和銀行合唱団
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いつも…クライアントの依頼には無理難題が多い。今回もそうだ。
たまたま自身が少しは合唱の体験もあり、大和の名声は聞き及んでいたものの…なるほど、「5年に一度」にふさわしい豪華な構成だし、客席で聴く分にはこれ程愉しい音楽会もあるまい…問題は、そのイメージを演奏会に先行して生み出さねばならない、デザイナーの宿命にあった。
千里阪急での打ち合わせの後、何度か図書館にも足を運び、思索に暮れる毎日を送って…ようやくこの名画に行き着いた時には小躍りするような気分であった。そもそも画題そのものが【マニフィカート】を取材しており、背景の田園風景は【マザーグース】を生み出した、のどかな英国の田舎を彷彿とさせ、何よりも、絢爛豪華なルネサンス絵画は【メリー・ウィドー】のきらびやかなパリの社交界を暗示するじゃないか…。
指揮者の辻さんにこの話をしたところ「非常に素晴らしい。かつてない大和のイメージだ!」と絶賛を浴びたが、案の定【もうひとつのかお】の所在を問い正された。
大胆にも巨匠ボッティチェリの名作をカットすることによって描き出された(?)「もうひとつのかお」を…ココに種明かししておきたいと思う。
(谷 卓司/T&T Design Lab.)
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